ツイッターSS　スレイヤーズ吉本の星

『キス題。シチュ:人気のない場所、表情:「泣きじゃくった顔」、ポイント:「抱き締める」、「相手にキスを迫られている姿」です。』

魔王と渡り合う少女でも苦手なものはある。彼女の場合はなめくじ。雨の裏街道なんて通ったのが運の尽きである。自分に抱きついて泣きじゃくる少女を青年は普通の女の子みたいで可愛いと思った。キスしようとしたら我に返った少女に「ふざけるな！」とスリッパで叩かれた。悪ふざけがすぎた様である。

『キス題。シチュ:出掛け先、表情:「戸惑った表情」、ポイント:「服を脱がしながら」、「お互いに同意の上でのキス」です。』

馬車に乗せてもらったのが縁で旅一座の公演に出たのだけど、連れの男は着ぐるみにはしゃいでいた。公演が終わって、お互いに着ぐるみを脱ぐの手伝いながら「こんなばっか好きね」と呆れた調子で言ったら「嫌だったか」と彼はやけに落ち込む。「嫌いじゃないわ」と頬にキス。彼は嬉しそうに笑った。

『吉本スリッパ編』

旅暮らしというのに少女はよく宿のスリッパを拝借したり、雑貨屋でスリッパを探していた。「ダメージは少なく、音は大きくが基本よね」更にスナップがきき、スパーンと軽快な音が出れば完璧らしい。訳の分からない仲間をよそに、少女の保護者の青年は「俺のためにそこまで」と感涙していたそうだ。

『吉本RVO2話編』

「馬鹿な！」彼は驚愕していた。目の前の着ぐるみ？はリナの十八番の竜破斬と、ガウリイの得意だった「光の剣」を使う。しかし、それは問題ではない。問題は、その動物かすら分らない外見、特にお腹のチャックである。それは、彼の岩肌をしのぐ個性だった。思わぬ強敵の出現に彼はこぶしを握り締めた。

『吉本RVO5話編』

満を持して披露した芸のはずだった。「髪の毛ダーツ」金属の髪を持つ彼ならではの芸である。しかし、狙った相手は避けるどころかすべて掴み取ったらしい。手に髪の毛を持ったまま、男は細い目を意地悪く開いた。「そんなことではハゲますよ」思わず突っ込み返しに、彼は男の消えた場所を睨み付けた。

『吉本RVO5-2話編』

彼は、昔の思い出の場所で、かっての相方と対峙していた。「何故だ。デュクリス！　俺達は、コンビとしてＭ－１を目指した仲だったじゃないか！」男は彼に向き合った。「時代は変わった、ポコタ。Ｍ－１の時代は終わった。今、おれが目指しているのはＳ－１だ」二人の亀裂が決定的になった瞬間だった。

『吉本RVO6話編』

王女は緊張していた。父の成し遂げた偉業を傷つける事は許されない。インパクトは最高だった。そして、クライマックスの石の積み上げも上手くいった。その時、王女の一撃により石の崩壊が始まった。一瞬、失敗のように思われたがそれは違う。その時こそ、正に最高のオチが披露された瞬間だった。

『吉本RVO7-1話編』

船上は緊張に包まれていた。繰り広げられるボケと突っ込みの攻防。反応の速さに玄人が紛れ込んでるのに気が付いたリナとポコタのわざとすべる作戦は功を奏し、海上には思わずずっこけてしまった芸人が表れるはずだった。「ぜっ全員！」そこには船上の全員が浮かぶ。その時リナの元に刺客があらわれた。

『吉本RVO7-2話編』

最強の芸人ズーマ。その突っ込みは熾烈でリナは思わず舞台から振り落とされそうになる。助けに入ったガウリイも舞台の隅に追い詰められた。その時、ポコタの光の剣が披露された。続くリナは落ちるガウリイすらネタにしてズーマに突っ込み返す！　今回は退場したズーマ。戦いが始まったばかりである。

『吉本RVO8話編』

ワイザーライブ。わざわざ専用劇場まで設けて行われたそれは、あまりにも寒い芸の数々だった。だから、気が付かなかったのだ。ワイザーの目的は、リナに突っ込みを入れさせることだった。一流の芸人ならば思わず突っ込まずにいられない。芸の寒さや専用劇場そのものさえ組み込まれた壮大なボケだった。